素晴らしいルワンダコーヒーを味わう
ルワンダと聞いて何を思い浮かべるでしょうか。
「コーヒーの生産国!!」
と即答できる人は意外と多くないであろうと思います。
しかしながらルワンダはコーヒーの生産国です。一部のコーヒー好きの間ではお馴染みの産地でしょう。
当店でも毎年取り扱っているもののその素晴らしさをお客様に十分に伝えられているとは言い難いのが正直なところです。
2023年素晴らしいルワンダのコーヒーが入荷したのに際して。
今クロップの提供とともにルワンダについて考えるきっかけになれば幸いです。
ルワンダのイメージ
私自身、正直なところルワンダについては民族対立による紛争や難民、貧困問題などネガティブなイメージが先行し、
この国の良い面をあまり捉えることができませんでした。おそらく皆様も少なかれ同じような思いを持っているでしょう。
しかし、いまだ貧富の格差やインフラ不足など問題はあるもののルワンダという国の見え方は以前より明るく希望に満ちています。
今では治安の良さに加え、アフリカ随一といわれるほどのビジネス環境のもと、国を挙げてICT産業に力を入れています。
ルワンダは悲惨な過去を乗り越えて今まさに経済発展の真っただ中です。
将来、世界をけん引する可能性を十分に秘めている国です。
ルワンダコーヒーとの出会い
コーヒー栽培は古くからおこなわれてきましたが、高品質コーヒーのマーケットで目立つ存在になってきたのはここ20年くらいのこと、
私が18年前コーヒー業界に足を踏み入れた当時、ルワンダで良質なコーヒーがつくられていることを恥ずかしながら知りませんでした。
2008年頃にカレンゲラという複数の生産者達のコーヒーを体験したときに他のアフリカのコーヒー生産国(エチオピア、ケニア、タンザニアなど)に引けを取らないコーヒーに驚いたのを憶えています。
私の中では新たなコーヒーの台頭でした。
コーヒー精製設備を有する施設を指す“ステーション”というワードがこの頃日本で聞かれるようになりました。
素晴らしいコーヒーを生産できるポテンシャルを持ちながらも、
品質への取り組みやロジスティック、販売プロモーションが不十分であり、一般的に浸透するのには時間を要したと感じました。
しかし今や高品質コーヒーのマーケットにおいては重要な産地と位置付けられるようになっています。
前回南部州エリアのニャミラマを販売しましたが、今回のマチアゾウォッシングステーションは西部州に位置し、これまで扱うことのなかったエリアです。産業には乏しくルワンダでも貧しい地域とされていますが、産出されるコーヒーは高いポテンシャルを感じさせてくれます。また、これまで扱ってきた主要産地とは山脈で隔てられておりコーヒーの生育環境は同じルワンダでも全く異なります。
そんな今回のGAKO HILL ガコヒルはやはりこれまで紹介したルワンダとはひとあじ違います。
よく熟した果実のニュアンスを含みながらも全体としてすっきりとしています。触感は豊かでその滑らかさはシルキーといえるほどです。これほど複雑で明確なキャラクターは特異だと思います。高産地ならではの酸の特性に加え、なんとなくルワンダにおけるブルボンとの相性の良さを他の産地よりも感じさせてくれるような気がします。しっかりとしたローストに耐えうるハードビーンで様々な焙煎度への適応を予感させます。
個人的な感想は、「飲み飽きないわりには随分味わい深いコーヒー」です。 マチアゾウォッシングステーションには集落ごとに収穫したコーヒーチェリーが持ち込まれます。複数の集落がある中で特に素晴らしいコーヒーをつくっている集落のコーヒーを単一のロットとして仕立てていただきました。それがGAKO HILL ガコヒルです。
※ヒル=集落
所在:西部州ンゴロレロ郡マチアゾ市ギテガ地区
主要生産者:ニャカレミエ・ジャン・ピエール
標高:1858-2200m
品種:ブルボン